第5次東海村地域福祉活動計画
かつて例を見ない少子高齢化の進行や人口減少の進展により、つながりの希薄化や社会的孤立は一層進み、地域福祉への期待はますます高まっています。一方で、地域生活課題は複雑化・複合化し、地域の中で支えニーズに応えていくためには、専門職の高い専門性や連携、ネットワークが必須となっています。
ニッポン一億総活躍プラン(平成28年6月2日閣議決定)では、「子供・高齢者・障害者など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる『地域共生社会』を実現する。」と示され、支え手・受け手を超えて互いに支え合う地域づくりの重要性が提起されました。
第4次東海村地域福祉活動計画では、総合的な生活支援体制を構築するために、ワンストップであらゆる相談を受け止める体制づくりや地域住民が自分ごととして課題を受け止め、地域でできることを考える場づくりを目指し、各種事業の実施や仕組みづくりを目指してきました。5年間の取組みは一定の成果をあげ、確実に前進していますが、未だすべてのニーズに応えられているとは言えない状況にあります。
そこで、第5次東海村地域福祉活動計画の策定にあたっては、多くの住民や専門職の方々と議論を重ね、東海村における潜在化している課題や必要な仕組みについて検討してきました。地域福祉活動計画の策定にあたっては、その過程において多くの住民らの参画を得て、自らの地域をどうしていきたいか自分ごととして考え、その後アクションとして一歩を踏み出していくことにその意義があります。また、計画の推進の過程においても、行政、住民、専門職、社協等の民間組織が同じ方向に向かって、目指すべき目標を共有し、ともに協力・連携しながら進んでいくための道しるべとして大切な役割を果たします。
第4次東海村社会福祉協議会発展・強化計画
第3次東海村社会福祉協議会発展・強化計画(以下、第3次発展・強化計画)では、「総合的な生活支援体制の構築に向けた村社協の組織基盤及び人材育成強化」を掲げ、職員のキャリアパス制度の構築や理事会・評議員会の運営強化に向けた取り組みを推進してきました。
結果として、職員のキャリアパス制度の構築には至りませんでしたが、職員研修体系の構築やSDS(自己啓発支援制度)の充実を図ることはできました。また、理事会・評議員会の強化についても、諮問機関である法人運営強化検討委員会を組織し協議を重ね、答申を得て、改選に伴う人員の見直しや協議のあり方など改善を図りました。
第3次発展・強化計画の期間に、社協を取り巻く環境や制度は大きく変化しています。何より、誰の記憶にも今なお深く刻まれている新型コロナウイルスの感染拡大は、これまで社協が住民とともに大切に育んできた人と人とのつながりや地域での集いの場を、感染防止のための自粛という名のもとに奪っていきました。ようやくウィズコロナとして、新たな生活様式の中でつながりの再構築を図るべく社会全体が動き始め、東海村社協もそうした状況下での新たな役割が求められつつあります。
また、令和4年に東海村が開始した重層的支援体制整備事業における東海村社協の役割も大きいものがあります。重層的支援体制整備事業は改正社会福祉法により、これまでの福祉制度・政策と、人びとの生活そのものや生活を送る中で直面する困難・生きづらさの多様性・複雑性から表れる支援ニーズとの間にギャップが生じてきたことを背景に創設されました。これまで東海村社協が培ってきた相談支援体制や職員一人ひとりが兼ね備えている専門性を生かして、重層的支援体制整備事業における一翼を担っていくことが期待されます。
これらの背景を踏まえ、東海村社協が東海村における地域福祉を牽引し、東海村における包括的な支援体制やその基盤となる地域を住民とともに構築していくために、そのあり方を描くものが発展・強化計画です。第4次発展・強化計画では、新たに経営目標や重点施策を設定し、その方向性を明確に示していきます。